活動報告

平成23年11月30日 代表質問

平成23年第3回定例会 11月30日 代表質問 ◆《本会議録-平成23年第3回-20111130-027073-質問・答弁-曽我部久美子議員-代表質問①津波対策における緊急課題について②総合計画素案について③かながわスマートエネルギー構想の推進について④その他の再生可能エネルギーの導入促進策について⑤電気自動車について⑥県立高校における科学技術系人材の育成について⑦介護保険制度の改正等に関して⑧自転車の交通安全対策について》                   午後3時10分 再開    〔議会局長報告〕   出席議員 副議長共80名 〇副議長(藤井深介) 休憩前に引き続き、会議を開きます。    ─────────────────────────────────────── 〇副議長(藤井深介) 質問を続行いたします。   曽我部久美子さん。 〔曽我部久美子議員登壇〕(拍手) 〇曽我部久美子議員 議長のお許しをいただきましたので、私は民主党・かながわクラブ県議団を代表いたしまして、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。   知事並びに警察本部長、教育長におかれましては明快なご答弁をよろしくお願い申し上げます。また、先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。   3月11日の東日本大震災では、想定外の津波による未曾有の被害とそれに続く福島第一原子力発電所の原子力災害、また、台風12号、15号で被災された全国の皆様に心からお見舞いを申し上げます。日に日に寒さが増す中、一刻も早い復興を祈念いたします。   また、東日本大震災による物流システムの混乱や電力不足、さらにはアメリカ国債の格下げや株価下落、ヨーロッパの金融・経済不安を背景にした歴史的な円高の進行により、本県においても日々の暮らしに差し込む不安の影を早急に取り除き、安全で安心な県民生活を具体的に実現させなければなりません。こういった県民の皆様の思いや願いを受けとめて、順次質問を行います。   質問の第1は、津波避難対策における緊急課題について2点お伺いします。   まずは、新たな津波浸水予測図の策定を踏まえた避難対策についてです。   新聞報道などによると、東日本大震災での津波被害を踏まえた本県の津波想定の見直しの中で、去る11月24日開催された第4回津波対策推進会議において、津波浸水予測図が沿岸の市町の担当者に対して示されました。津波浸水予測図については、今後、学識経験者を交えた詳細な検討を行い、今年度中をめどに正式に作成されるとのことですが、今回示された素案においては、従来の津波浸水予測図と比べて、東京湾岸や相模湾東部を中心に浸水範囲が大幅に拡大し、一部の内陸部でも浸水が想定されていることから、大きな津波による浸水が想定される地域では、一日も早い避難体制の強化が必要であります。   また、東日本大震災では、大きな津波により、沿岸部に所在した多くの高齢者施設や障害者施設が被害を受けました。避難のおくれにより多くのとうとい命が失われたことは痛ましいことであり、こうした高齢者や障害者の避難については、日頃から十分な配慮と準備が必要であると考えます。本県でも、特に津波が起きた場合の高齢者施設や障害者施設における避難体制の強化に向けて、県と市町村とが一体となった支援を行う必要があると考えます。   そこで、知事に伺います。   現在、策定が進められている新たな津波浸水予測図の結果を踏まえた今後の津波対策について、県は市町村とどのように連携し、進めていくのか、お伺いします。また、特に避難に対する配慮が必要である高齢者施設や障害者施設について、避難体制の強化に向けてどのような方向で取り組んでいくのか、あわせてご所見を伺います。   次に、防災教育の充実についてお伺いします。   3月11日に発生した東日本大震災においては、想定外の津波により多くの命が失われました。特に、将来を担う児童・生徒たちのとうとい命が、宮城、岩手、福島の3県だけで、635人もの子供たちが津波の犠牲になったことは残念でなりません。   しかしながら、大津波に見舞われたにもかかわらず、小中学生約3,000人のほとんどが命を失うことなく無事に避難することができた岩手県釜石市の実例もあるところです。同市は津波てんでんこを防災教育に取り入れ、津波の避難勧告が出たら、率先して逃げることが学校教育において徹底されていたところであり、このことが多くの命を津波から救うことができた理由だと言われています。災害時における迅速な対応のためには、正しい知識を身につけ、日頃からの徹底した訓練が重要であることが、東日本大震災においても改めて認識されたところです。   国においても、文部科学省の有識者会議において、防災に関する正しい知識をすべての子供たちが身につけられるように、一つの教科とすることなどを含めた新たな取り組みについての議論がなされ、中央教育審議会に教育方法が諮問されたと聞いています。   また、先日の新聞報道では、文部科学省は、指示がなくても、どうすれば生き残れるかをみずから判断し、主体的に避難行動ができることを目指すとの新たな防災教育の指針を定め、国として初の取り組みとして、新指針の指導者となる全国の指導主事ら220人を対象に、来月から研修を開始するとされております。この取り組みは、すべての学校に防災の専門知識を持つ教員の配置を進めるための一歩であると理解しており、早急に体制整備を行うことを念願するところです。   本県教育委員会が、毎年、防災教育の研修を実施したり、指導の参考となる資料を配布したりして学校を支援していますが、本県は東海地震や南関東地震、首都直下型地震の切迫性が叫ばれており、防災への備えは待ったなしの状況であります。切迫した災害に備え、子供たちの命を守り、被害を減らすためには、国の取り組みをさらに積極的に推進し、より実践的な知識を身につけ、命を守るための訓練を早くから繰り返し行うことが大切だと考えます。   また、21日に取りまとめられました神奈川県地震災害対策検証委員会による中間報告書においても、防災教育等の普及啓発として、学校における防災教育の充実が必要とされたところであります。   そこで、教育長に伺います。   小・中・高等学校教育において、国による新指針に基づく防災教育を県内偏りなく、より強力に推し進めていくことが必要であると考えますが、ご所見をお伺いします。   質問の第2は、総合計画素案についてです。   さきの議会において、我が会派の松崎議員による代表質問に対して、知事は、基本構想の見直しや新たな実施計画の策定に当たっては、県民の命を輝かせ、人や物を引きつけるマグネット力を持つ地域づくりに向けて、県民総力戦で進めていくとのご答弁をなされております。   具体的には、基本構想の見直しに当たっては、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故による社会環境の変化を踏まえ、エネルギー政策や大規模災害対策を中心にどのような政策が必要なのか、その基本的な方向の検討を行っていく。また、新たな実施計画の策定に当たっては、命を輝かせる、マグネット力を高めるという視点から、さまざまなプロジェクトを検討する中で、全国の先駆けとなる神奈川モデルをつくり上げていけるよう取り組んでいく。そして、計画の策定を進める中で、県議会はもとより、知恵袋会議や対話の広場なども活用しながら、県民や市町村からのご意見を幅広くいただき、総合計画へ反映していくとのことでした。この趣旨のもと、これまで知恵袋会議や対話の広場、さらにはパブリックコメントなども実施されてきています。   そこで、知事にお伺いします。   この定例会において、ご説明いただける総合計画素案には、これらさまざまな方々の意見がどのように反映されているのか伺います。また、全国に先駆ける神奈川モデルが具体的にどう想定されているのか、あわせてお伺いします。   質問の第3は、かながわスマートエネルギー構想の推進についてです。   さきの9月期の本会議において、知事は新たな中長期的なエネルギー政策として、かながわスマートエネルギー構想を打ち出しました。今後、このかながわスマートエネルギー構想を総合計画の中に位置づけ、行政計画としてしっかり進めていくとは伺いましたが、具体的な施策や取り組みについては、明らかと言える状態には至っていないことから、我が会派としては、本会議の討論において、近藤議員より、ソーラーバンクシステムや市民ファンドなど、太陽光発電の大量設置へ向けた取り組みのスキームについて、早急にまとめられるように議論を始めなければならないと主張したところです。   そうした中で、知事の肝いりの事業であるソーラーバンクシステムについては、11月18日から12月2日までを公募期間として、参加事業者の募集が開始され、公募期間終了後は、事業者から提出されたプランを、1、価格と屋根の適用条件、2、設置数量と販売地域、3、販売・施工体制、4、保証内容やメンテナンスなどのサービスの4項目の基準で選定が行われることとなります。   太陽光発電設備を安価で設置する類似の取り組みは、これまで横浜市や群馬県の太田市で行われてきましたが、設置する事業者が一者に限定されたことにより、設置を希望する市民にとっては、選択の幅がなく、また参加する事業者も狭められるという課題が指摘されております。   知事は、参加事業者の募集を開始する際に、今回の公募では複数のプランを選定すると表明されており、このことは他の類似の取り組みとは異なる新たな手法として評価させていただくところではありますが、多くの県民は太陽光発電に関する知識がまだ十分ではないと考えます。したがって、県民からの相談を受け付け、申し込みを取りまとめるかながわソーラーバンクセンターの果たす役割が大変重要になってまいります。   また、ソーラーバンクシステムは来年度以降も継続されると考えますが、発電した電気の買い取り価格は、発電設備の価格の低下に伴い引き下げられていくため、売電収入等による事業の採算性も本年度とは異なってまいります。   そこで、知事に伺います。   知事が提唱してきたソーラーバンク構想が具体化し、来月の中旬からソーラーバンクシステムを利用する県民の募集がいよいよ始まりますが、申し込みを受け付けるかながわソーラーバンクセンターをどのように運営していこうと考えているのか伺います。また、来年度以降はソーラーバンクシステムをどのように運用していこうと考えているのか、あわせてご所見を伺います。   質問の第4は、太陽光以外の再生可能エネルギーの導入促進策について伺います。   知事は、太陽光だけではなく、風力、小水力、地熱、バイオマスなど、さまざまな再生可能エネルギーの導入を図る創エネとともに、省エネや蓄エネの取り組みを組み合わせた新たなエネルギー政策として、2020年度を目標としたかながわスマートエネルギー構想を9月の県議会において示されました。   この構想では、2020年のエネルギー需給構造を見通しながら、当面の4年間はピーク時の電力不足対策を最優先課題として、計画停電や電力使用制限を回避するための取り組みを進めることとしています。   その柱となる創エネの取り組みとして、再生可能エネルギー法が成立し、2014年度までの3年間を促進期間として位置づけていることを踏まえ、太陽光発電の普及をさらに加速化させるとともに、再生可能エネルギー法において、新たな買い取り制度の対象となった風力、小水力、地熱、バイオマス等による発電も導入が促進されると期待しているところであります。   太陽光発電以外の再生可能エネルギーのうち、地熱の一部である温泉熱の利用については、9月補正予算により検討組織が設置され、事業化に向けた検討が具体的に進められていると聞いていますが、それ以外の再生可能エネルギーについては、これまで具体的な推進方策が示されておりません。風力発電や小水力発電は、その発電施設の立地に関して、太陽光とは異なり制限があるという側面から、県内における導入ポテンシャルは小さいと考えられていますが、近年は技術開発が進んでおり、発電効率やコストの面で改善が図られているとも聞いています。   これらは太陽光発電より稼働率が高いことから、太陽光による不安定な電力供給を補うというメリットもあります。発電した電気の買い取り価格や買い取り期間は、今後、国において新たに設置される第三者委員会の意見に基づき定められることになっており、まだ事業の採算性等がどの程度確保されるのか不透明な側面はありますが、さまざまな企業等が参入を検討していると報じられています。さらに、全国各地で地域密着した再生可能エネルギーを利用して、さまざまな地域振興策の検討が進められています。   そこで、知事にお伺いいたします。   風力発電や小水力発電など、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの導入促進についても、県の方針をきちんと示す必要があると考えますが、そのご所見をお伺いいたします。   質問の第5は、電気自動車に関して、2点お伺いいたします。   まず、導入補助について伺います。   県では、2006年11月にかながわ電気自動車普及推進協議会を立ち上げ、産学公連携により、EVの普及に取り組んできたところです。2008年3月には、2014年度までに県内3,000台のEV普及を共通の目標として掲げた、かながわ電気自動車普及推進方策を策定し、県では、この目標達成のために、EV購入時の優遇策、EV利用時の優遇策、充電インフラの整備などに取り組んでいるところでありますが、その中のEV購入時の補助金については、国の補助金の半額を県が補助するという充実した内容で、EV購入への強いインセンティブを与えていると評価しています。   EVは、2009年7月に三菱自動車の軽自動車アイミーブの販売が開始されたことを皮切りに、昨年12月には日産自動車から普通自動車規格のリーフの発売が続き、本年7月にはアイミーブの新車種が投入されました。また、この11月には、三菱自動車から大手自動車メーカーでは初となる商用車タイプの軽自動車、ミニキャブ・ミーブが発表されたところでもあります。   EV導入補助の申請件数は、今年度当初こそ、東日本大震災の影響を受けて、各メーカーで一時受注が停滞したこともありましたが、8月以降は急増し、最近では600件を超えていると承知しています。平成23年度当初予算においては、年間で700台の補助を予定していますが、申請期限である1月末までに、今のような月100件のペースで申請があるとすると、予算の700台を超えることが懸念されます。また、来年にはトヨタ、マツダ、ホンダからもEVの発売が予定されているなど、来年度もさらにEVの普及が加速化されると見込まれます。   そこで、知事に伺います。   県では、2014年度までに県内3,000台のEV普及を目指す中で、EV購入予定者からの補助申請が当初予算の見込みである700台を超えた場合、その対応について、どのように考えているのかお伺いします。また、来年度については、県内のEV3,000台達成に向けて、どのように予算措置をしていくおつもりなのか、あわせて知事のご所見を伺います。   2点目は、スマートエネルギー構想におけるEVの位置づけについて伺います。   現在県が推進しているかながわスマートエネルギー構想においては、蓄エネとしてEVも取り込まれております。EVには、日産自動車のリーフでは24キロワットアワー、三菱自動車アイミーブGでは16キロワットアワーと、大容量リチウムイオンバッテリーが搭載されていますが、これを蓄電池として活用できれば、各家庭において太陽光で発電した電力を効果的・効率的に利用することができるようになります。   そこで、日産自動車では、リーフのバッテリーから電力制御装置を経由して家庭の分電盤につなぎ、直接、家庭に電力を供給するシステムである給電システムを開発し、来年の販売に向けて準備が進められているところです。このシステムを設置することで、リーフのバッテリーで平均的な家庭の2日分の電力を賄うことができるとされています。   また、三菱自動車でも、アイミーブから電気炊飯器や電子レンジなどの家電に電力を供給することができる装置を開発し、来年の販売が予定されています。このほか、家電メーカーでも、EVから電力を取り出して、家庭に電力を供給する給電システムの販売に向けた開発が進められているところです。   そこで、知事にお伺いします。   かながわスマートエネルギー構想を推進していく上で、EVを蓄電池として活用する給電システムについて、どのように普及促進を図っていかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。   質問の第6は、県立高校における科学技術系人材の育成についてです。   神奈川県においては、全国に先駆けて、平成2年に科学技術政策の方向性を示す神奈川県科学技術政策大綱を策定し、その後3度の改定を行い、現在の大綱は平成23年度末で計画期間が終了します。   そこで、この10月には神奈川県科学技術政策大綱骨子が示されたところでありますが、その中で、科学技術を取り巻く社会環境の変化への対応として、超高齢社会の到来、経済のグローバル化、地球温暖化の問題、子供の理科離れ、東日本大震災の発生が取り上げられています。このうち、特に子供の理科離れに関しては、今後、日本の社会が持続的に発展していくために、将来の科学技術を担う人材の育成が求められる中、見過ごすことのできない問題であると受けとめています。   この問題については、子供たちの科学技術への関心を喚起し、科学技術に対する理解を増進させることが大切であると考えます。現在、小学校の理科の授業における観察、実験活動の充実、活性化を図ることを目的として、理科支援員の配置を行っていると聞いています。   また、本県では、大学発・政策提案制度として、横浜国立大学と連携して高校生の理科への興味を高めることを目的とした生物実験プログラム開発事業が平成24、25年度事業として採択されたところです。このような事業は、児童・生徒の科学技術に対する関心を喚起する上で大変有効な取り組みであると思いますが、指導に当たる教員の存在も大きな要因であると考えます。   黒岩知事は、母校である灘中学の国語の教師であった橋本武先生の授業のすばらしさを語られ、恩師と呼べる教員との出会いの重要さを常々語られておいでになります。本県の理科・科学分野で言えば、神奈川県立高校出身の方が2人もノーベル賞を受賞されております。現在の県立横須賀高校ご出身の小柴昌俊先生がノーベル物理学賞を、県立湘南高校ご出身の根岸英一先生はノーベル化学賞をそれぞれ受賞され、そのお2人とも、高校時代の恩師である教師の教えが、その後の研究を進める上で大きな影響を持ったと述べていることからも、これらの事業の展開とともに、生徒を指導する教員の指導力の向上を図ることが必要であると考えます。   そこで、教育長に伺います。   県立高校において、科学技術系人材の育成にどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。また、理科教員の指導力の向上を図る方策をどのように進めていこうと考えているのか、あわせてお伺いいたします。   質問の第7は、介護保険制度の改正等に関して、2点お伺いいたします。   黒岩知事におかれましては、知事就任以前に国際医療福祉大学大学院教授を務められ、医療・介護の分野における専門家であるばかりではなく、とかく暗いイメージのある介護に関して、明るい介護、楽しくなければ介護ではないとキャンペーンをされていたと承知しております。そんな福祉に対する見識をお持ちの知事にお尋ねさせていただきます。   まず、介護職員に対する処遇改善の継続について伺います。   介護現場に関しては、介護施設等による改善の努力にもかかわらず、きつい、汚い、危険といった、いわゆる3K職場であるとの認識が社会的に浸透してしまっている中で、介護職員の確保が非常に厳しい状況にあります。   平成21年4月の介護報酬改定では、介護従事者の処遇改善を目的として3%の報酬アップが図られたものの、十分とは言えず、その後、経済危機対策の一環として、介護職員の処遇改善について、他の業種との賃金格差をさらに縮めるために、月額1万5,000円の賃金アップを目指した介護職員処遇改善交付金事業が創設され、介護サービス事業者からの申請に基づき、平成21年10月から24年3月までの間の介護報酬に応じて助成するとされたところです。この交付金事業による成果は、介護職員の月額の賃金が実質的に1万5,000円程度アップし、他の職種へも波及効果があったと聞いております。   現在、国の社会保障審議会の介護保険部会において、平成24年3月末で終了する交付金事業による介護職員の処遇改善の問題について、引き続き交付金で対応するのか、または介護報酬での対応とするのか議論されているところですが、ほとんどの委員は介護報酬で対応すべきと考えているとのことです。   そうした中で、平成24年度の介護報酬の改定については、近日中にも内容が明らかになるところです。県では、これまでも平成24年度以降の介護職員の処遇改善について、報酬改定による恒久的な処遇改善策を講じるよう、国に働きかけてきたところですが、介護現場で働く職員にとって、処遇改善の継続は真に死活問題であるとともに、最大の関心事でもあります。   そこで、知事に伺います。   平成24年度以降の介護職員の処遇改善については、現時点で国の方針決定が行われていないところですが、介護職員の処遇改善の継続について、どのようにあるべきと考えているのか伺います。また、県として、将来に向けてどのように取り組んでいこうと考えているのか、あわせてご所見をお伺いします。   次に、介護職員等による喀たん吸引等の実施についてです。   知事は、厚生労働省による、介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会の委員も務められております。この検討会において、知事は、医療・福祉のあり方というものは、それを必要とする人のところにそれを届ける仕組みをつくるという以外の何物でもない。また、たんの吸引が医療行為であるかということを一生懸命論ずるよりも、たんの吸引をヘルパーさんがちゃんとできるようにするにはどれだけ教育訓練をすればいいのか、教育内容はどうあるべきなのかを議論すべき。そして、たんの吸引は技術の問題であり、技術の問題ならしっかり教える体制を整えるべきとの発言もなされておられたと承知しております。   介護保険法等の改正により、これまで、たんの吸引等の行為は、医師法、保健師助産師看護師法により、医師または看護職員以外の者が実施することが禁止されている医療行為とされてきたところですが、厚生労働省では、一部の行為について、やむを得ないものとして介護職員等が行うことを認めてきたところです。   そうした中で、昨年の4月からは、特例として特別養護老人ホームにおいて、介護職員が行うたんの吸引等の行為が一定の条件のもとで容認されましたが、今回の法改正により、平成24年度以降においては、すべてのサービスにおいて、介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等が、法的に正当な行為として実施が可能となるとのことです。このことは、知事のお考えである、それを必要とする人のところにそれをちゃんと届けるという仕組みができたと言えます。   この場合に、県の役割として、研修の実施を初め、研修機関の登録・指導監督、認定証の交付、さらに、事業者の登録等、本制度の施行に伴い、取り組むべき業務などが法によって定められております。介護現場では、看護職員の確保が厳しい中で、たんの吸引等を介護職員等へ拡大することは、必要とする方々やそのご家族の生活を支えていくという観点から、やむを得ないものと考えます。   そこで、知事に伺います。   たんの吸引等を介護職員等へ拡大するためには、知事が当初から主張されている、技術を身につけるための十分な教育等の制度の構築が大事であり、県の責務として早急に取り組む必要があると考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いいたします。   質問の最後は、自転車に対する交通安全対策に関してです。   神奈川県内の交通事故につきましては、本年と昨年を比較しますと、本年10月末の発生件数は3万1,833件、昨年10月末は3万4,251件、けがをされた方は、本年は3万8,031人、昨年は4万830人と、それぞれ減少しておりますが、交通事故で亡くなられた方139人のうち、自転車乗車中に亡くなられた方は18人で、この数字は前年同期比で4人の増加となっています。   自転車を取り巻く環境としては、ここ数年、自転車が環境に優しく、健康によいということからブームともなっておりますが、反面、自転車の交通ルールの無視やマナーの低下を指摘する新聞やテレビの報道があり、県内においても、携帯電話を操作しながらや、イヤホンを使用して音楽を聞きながら自転車に乗る方や、道路を二、三台の自転車が横に並んで走行するのを実際に目にしては、大変危険な行為だと感じています。   また、3月11日の東日本大震災以降は、通勤・通学に自転車を利用する人がさらにふえ、県内の自転車による通勤・通学途中の交通事故は、震災後の3月から10月末までで、前年と比べ155件増加し、自転車と歩行者の交通事故は、10月末現在で206件で、このうち歩道上での交通事故は約40%を占めていると聞いております。   こうした中、良好な自転車交通秩序の実現のための総合的な対策の推進に向けて、幅員3メートル未満の歩道では、自転車の車道通行を原則とするという内容の警察庁交通局長通知が、平成23年10月25日に全国の警察本部に通知されたと発表がありました。   しかしながら、自転車は、幼児から高齢者まで幅広い世代が利用し、また、県内の道路環境、自動車の走行実態から見ても、自転車を車道通行に切りかえることは、自転車に乗る人には大変危険だと思います。自転車の車道通行を徹底するためには、まず、自転車と歩行者、自動車を分離して自転車が安全に安心して通行できる空間を整備することを優先すべきものと考えます。   自転車が安全で安心して通行できる空間を確保するための取り組みとしては、本県においても、平成20年1月に警察庁と国土交通省が全国で98地区を指定した、今後の自転車通行環境整備の模範となる自転車通行環境整備モデル地区のうち、本県においても、相模原駅周辺地区、金沢地区、茅ヶ崎地区、向井町地区、新川崎地区の5地区が整備されているところではありますが、まだまだ整備箇所は限られています。   そこで、警察本部長にお伺いいたします。   県警察として、自転車の車道通行に対する基本的な考え方はどうなのかお伺いいたします。また、今後、自転車が安全で安心して通行できる環境の整備について、どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたします。   以上で、私の第1回目の質問を終わります。 〔拍 手〕 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕 〇知事(黒岩祐治) 曽我部議員のご質問に順次お答えしてまいります。   初めに、津波対策における緊急課題について、何点かお尋ねがありました。   まず、新たな津波浸水予測図を踏まえた今後の津波対策についてです。   今回、想定される最大クラスの津波の浸水予測図の素案をお示ししましたが、大規模な津波に対しては、減災の視点に立って、ハード・ソフトにわたる対策を講じていくことが重要となります。   そこで、まず、海岸保全施設については、最大クラスの津波に対しても、すぐに壊れないような構造とすることや、海岸砂防林の保護・育成にも努めてまいります。さらには、避難路、避難誘導標識及び津波避難ビルや津波避難タワーなどの確保・整備、津波ハザードマップの作成に加え、住民等への迅速・的確な情報提供体制の整備や、学校等における防災教育なども沿岸の市町と連携して、一層充実させる必要があります。   県では、これまで沿岸の市町、関係機関で構成する津波対策推進会議で、情報の共有化や対策の検討を進めてまいりましたが、今後は市町の各階層の職員とも綿密に意見交換を行い、具体的な対策がより一層促進されるよう取り組んでまいります。   次に、高齢者施設や障害者施設の避難対策についてですが、高齢者や障害者など、自力で避難することが困難な方が利用する施設については、いかに安全かつ迅速に避難できるかが大きな課題であると考えております。   そこで、県といたしましては、市町や福祉関係団体と連携し、津波浸水予測区域内にある個々の施設の状況を把握し、避難計画の見直しを支援してまいります。   次に、総合計画素案についてお尋ねがありました。   「いのち輝くマグネット神奈川」を実現するためには、県民、NPO、企業、市町村など、多様な主体が情報や目的を共有しながら連携し、神奈川の力を結集する県民総力戦の取り組みが何よりも重要であります。   そこで、新たな総合計画の策定に当たりましては、県のたより、ホームページなどを通じた広報や、市町村や団体へ直接説明を行うなど、積極的に取り組んだ結果、これまで全体で500件を超えるご意見やご提案をいただきました。   例えば、放射能汚染への対応を求める意見や、神奈川の豊かな水を観光やレジャーに生かしていくべきとの提案をいただき、災害対策と水の里のプロジェクトにそれぞれ反映いたしました。   さらに、知恵袋会議や対話の広場で議論されたいじめや自殺への対応、加えて、地域版の対話の広場で提案された外国籍県民への支援などについても、プロジェクトに位置づけ、先般、総合計画審議会でご議論をいただいたところであります。   特に、お尋ねの神奈川モデルにつきましては、こうした県民総力戦の取り組みを通じて、全国の先駆けとなる先進的で発展的な政策をともにつくり上げ、新たに神奈川モデルとして発信しようとするものであります。   例えば、かながわスマートエネルギー構想を推進するプロジェクトは電力の供給不足にいち早く対応するため、原子力発電に過度に依存しないなど、三つの原則を掲げた本県独自の先進的な取り組みであります。また、医療に関するプロジェクトでは、患者中心の開かれた医療の実現に向け、ICTを活用したカルテなどの医療情報を共有するモデル事業なども盛り込んでおります。   新たな総合計画につきましては、今後、議会のご議論をいただきながら、素案として整理し、12月中旬頃には改めて県民の皆さんや市町村からも幅広くご意見をいただきながら、策定作業を進めてまいります。   次に、かながわスマートエネルギー構想の推進に関するお尋ねがありました。   まず、ソーラーバンクセンターの運営についてでございますが、新たに設置するこのセンターは二つの機能を担うこととなります。一つは、県民の皆さんから太陽光発電設備の設置に関するさまざまな相談に応じることでありまして、県がこうした専門の窓口を設け、気軽に相談していただくことにより、普及を促進してまいります。もう一つは、ソーラーバンクシステムに参加する事業者が提案した設置プランに対する県民の皆さんからのご希望を受け付け、これを取りまとめ、事業者に取り次ぐ事務を行うことになります。   いずれも、専門的な知識やノウハウが求められるとともに、公正・中立な立場で業務を遂行する必要がありますので、センターには県職員も配置し、業務全体の運営を統括するとともに、窓口業務を太陽光発電の普及などを行っているNPOに委託することといたします。   次に、来年度以降のソーラーバンクシステムの運用についてでありますが、買い取り価格や太陽光パネルの価格の動向などを踏まえながら、改めて、参加いただく事業者を公募し、年度を通じて本格実施してまいりたいと考えております。   また、住宅以外の規模の大きな工場、商業施設などを対象に太陽光発電設備の設置に関するアンケートを実施したところ、設置に当たっては、ソーラーバンクシステムを活用したいという声も寄せられております。そこで、来年度のシステムの本格実施に向けて、県民や事業者のニーズをさらに分析し、工場や商業施設などについても対象とすることを検討してまいります。   次に、太陽光以外の再生可能エネルギーの導入促進についてお尋ねがありました。   太陽光以外の再生可能エネルギーの中では、県内における導入ポテンシャルが比較的大きいのは、風力と小水力でありますが、これらは自然条件により適地が限定される地域密着型のエネルギーであることから、地元市町村と連携しながら導入を促進していきたいと考えています。   まず、風力発電の立地条件としては、地上30メートルにおいて年平均で毎秒6メートル程度の風速があることとされておりまして、こうした風況が良好な地域としては、三浦半島地域、西湘地域、そして丹沢地域が該当します。このうち、西湘と丹沢のエリアは自然公園に指定されていることから、今後、三浦半島を含む東京湾の沿岸を中心に地元自治体等と連携しながら検討会を立ち上げ、有望地点の調査や事業採算性のシミュレーション等を行い、民間事業者による風力発電施設の設置の可能性を検討してまいります。   次に、小水力発電については、これまで県の企業庁が道志川に設置した1,000キロワットの設備を初め、県内には約3,000キロワット分の設備が導入されていますが、これらは主に落差を利用したタイプであります。一方、県内には県央や県西部を中心に農業用水が数多く整備されておりますので、今後は農業用水の流水の速度を利用したタイプの小規模な発電施設の導入の検討をしていきたいと考えています。   具体的には、まず、酒匂川水系の農業用水において、地元自治体等と連携しながら検討会を立ち上げ、水利権の調整等を図りながら、設置可能箇所の調査や事業採算性の検討を行ってまいります。その後、この検討結果を生かしながら、県内における農業用水を活用した小水力発電の導入を進めてまいりたいと考えているところであります。   次に、電気自動車について、2点お尋ねがございました。   まず、導入補助の申請に対する対応についてであります。   今年度の当初予算において、電気自動車導入費補助については700台を見込んで2億8,900万円を措置しております。これまでの導入補助の申請状況でございますが、今年度前半は低調でしたが、夏以降は増加傾向となり、特に9月から11月にかけては月100件を超える状況で、11月25日時点で約620台となっております。一方、予算の執行状況としては、予算を積算した時点から補助単価が下がっている車種もありますので、700台の補助を達成しても一定の残額が生じる予定であります。   そこで、申請が700台に達すると見込まれる場合には、補助の要望にできる限り対応できるよう既決予算の範囲内で追加募集を検討してまいります。あわせて、県民やディーラーの皆さんに募集台数に対する申請状況について、県のホームページを使って随時わかりやすくお知らせしてまいります。   次に、来年度の予算措置についてでありますが、2014年度までに県内3,000台の電気自動車普及、この目標達成に向け、初期需要を拡大するため、補助を継続してまいりたいと考えております。   次に、電気自動車を蓄電池として活用する給電システムの普及促進についてお尋ねがありました。   県が推進しているかながわスマートエネルギー構想は、創エネ、省エネとあわせて蓄エネに取り組むことにより、太陽光で発電した電気の効率的な利用や、太陽光発電の大量導入に伴う電力系統の不安定化の解消などを図ることにしています。   しかしながら、普及が期待されている小型で高出力のリチウムイオン電池は、現時点ではまだ価格が高いため、一般の家庭や事業所への導入が進んでおりません。一方、東日本大震災を契機として、自動車のバッテリーが非常用電源としても注目されるようになりました。   自動車メーカーも、電気自動車のリチウムイオン電池から家庭の分電盤にケーブルをつないで電力を供給する給電システムの開発を急ピッチで進めております。これが実現しますと、電気自動車が自家用車としてだけでなく、蓄電池としても活用されることになり、電気自動車の普及と蓄電池の普及が同時に進んでいくことになります。こうした給電システムは、まずは非常用電源としてのニーズが見込まれますが、あわせて電力のピークカットやピークシフトによる効率的な利用、さらには電力系統の安定化対策に有効であり、県としても注目しているところであります。   そこで、給電システムの普及促進に向けて、現在、国に申請中のかながわグリーンイノベーション地域活性化総合特別区域において、特例措置の一つとして補助制度の創設を求めているところであります。   今後は国と連携しながら、具体的な支援策の検討を行うとともに、太陽光発電の普及と電気自動車及び給電システムの普及を一体的に推進してまいります。   次に、介護職員に対する処遇改善の継続についてお尋ねがありました。   超高齢社会の到来による介護ニーズが増加する中、安定的な人材確保のためには、他業種に比べて必ずしも給与水準が十分でなく、離職率も高い介護職員の処遇改善は重要であると認識しております。   平成21年10月から実施している国の介護職員処遇改善交付金事業によりまして、介護職員の処遇は全国平均で月額にして1万5,000円程度増加し、本県においても同様の効果が認められております。   しかしながら、この事業は交付金が時限的なことから、約8割の事業者が給与の引き上げではなく、一時金等による対応としていることや、交付対象が介護職員に限られ、同じ職場で働く看護師など、他の職種に適用されないため、申請しない事業者があるという実態もございます。   こうしたことを踏まえ、先月開催された国の社会保障審議会の介護保険部会において、本県から、介護職員の処遇改善については、恒久的な措置として介護報酬により行われるべきだと、こう主張したところであります。また、こうした点については、既に全国知事会を通じても要望しておりますので、今後、24年度の介護報酬改定に向け、全国知事会と連携し、国に対して働きかけてまいります。   さらに、今後、介護のすばらしさや魅力に光を当てることで、介護職員が誇りとやりがいを持って働けるような取り組みも進めてまいりたいと考えております。こうした取り組みを通じ、介護の仕事の社会的評価が高まることが、ひいては処遇改善にもつながっていくものと考えている次第であります。   最後に、たんの吸引等を介護職員等へ拡大するための県の取り組みについてお尋ねがありました。   これまで、たんの吸引や経管栄養は医療行為とされておりまして、介護職員が行う場合は、国の通知により、やむを得ない行為として一定の条件のもとで認められてきました。私は、国の検討会の委員であった頃から、たんの吸引を必要とする人がいる以上、医療行為かどうかを論じるよりも、ヘルパーがたんの吸引をきちんとできるよう、その技術を教える体制を早く整えるべきだと再三、主張してまいりました。   そうしたこともあって、国は今回、ようやく法律を改正し、平成24年度からヘルパー等の介護職員、介護福祉士、特別支援学校教員等が研修を受講し、知事の認定を受けた上で、診療の補助としてたんの吸引等を業として行うことが認められました。県といたしましては、これまでたんの吸引等を行ってきた介護職員等に対しては、今年度中に業としての認定を行ってまいります。   さらに、介護職員等のたんの吸引等を拡大していくためには、施設サービスや在宅サービスに従事する数多くの介護職員等に対して研修を実施する体制が必要となってまいります。この11月中旬に研修に係る実施基準等が示されましたので、今後、たんの吸引等を行うことが見込まれるすべての介護保険事業者等に早急に制度の内容の周知を図ってまいります。   また、研修は県に登録した機関で行えることとされましたので、現在、たんの吸引等を行っている社会福祉法人や医療関係団体に登録研修機関となっていただけるよう働きかけ、一人でも多くの介護職員等がたんの吸引などができるよう、養成してまいりたいと考えているところであります。   私からの答弁は以上です。 〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 藤井教育長。 〇教育長(藤井良一) 教育関係についてお答えいたします。   初めに、防災教育の充実についてお尋ねがございました。   学校における防災教育は、教科指導や学級活動など、学校教育全体を通じて取り組んでおり、子供たちが災害についての正しい知識や的確な判断と行動力を身につける、命に関わる教育であり、大変重要であると認識しております。   県教育委員会では、今回の震災を踏まえ、教員一人一人の指導力の向上が重要であると考え、被災地の避難所支援や学校運営に関わった体験者を講師に招くなど、今年度、研修講座を見直し、防災教育の充実に努めてまいりました。また、これまでの教員向けの防災教育指導資料に加え、津波防災に関する指導資料を新たに作成し、各学校での活用を図ってまいります。   一方、国においては、防災教育の専門家による有識者会議が新たな防災教育について提言をまとめ、中央教育審議会において、現在検討が行われているところでございます。この検討の中では、防災の教科を新たに設けるなど、教育課程における防災教育の位置づけについて、研究開発学校制度などにより、各学校における新たな取り組みを促し、その成果などを踏まえ、検討することが望まれるとされております。今年度中には中教審から答申が示される予定でございますので、県といたしましても、国の動向に注視してまいります。   また、防災の専門知識を持つ教員を養成するための国の研修が12月に計画されており、本県からも指導主事と小・中・高等学校の教員4名が参加する予定でございます。   今後、こうした中教審の答申や研修など、国の動向を踏まえるとともに、県としても、小・中・高等学校など、各学校における防災教育の核となる教員の人材育成に取り組み、児童・生徒がみずからの命を守るために主体的に行動できるよう、学校防災教育の一層の推進に取り組んでまいります。   次に、県立高校における科学技術系人材の育成と理科教員の指導力向上に係る取り組みについてお尋ねがございました。   教育委員会では、平成12年度から、「県立高校改革推進計画」に基づき、産業界に必要とされる人材の育成や科学技術の高度化などに柔軟に対応するため、理数科、理数コース、総合産業科などを設置し、将来の科学技術を担う人材の育成に取り組んでまいりました。   また、これまでに将来の国際的な科学技術人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高校として、国からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けた3校の県立高校では、各生徒が科学に関する研究などに取り組んでおります。   さらに、今年度、県立高校21校、延べ34件の先進的で体験的な理科教育の企画が独立行政法人科学技術振興機構に採択され、大学や研究所と連携して、最先端の遺伝子工学や超伝導現象などの専門家から指導を受ける取り組みを行っており、採択された数は全国でも上位となっております。   こうした国からの指定や科学技術振興機構の採択を受けた学校では、生徒はもとより、指導する教員も力をつけているところでございまして、多くの生徒が理系大学に進学しております。   今後は、新しい学習指導要領で理数系科目の学習内容の充実が図られていることから、理数教育に特色を持つ高校だけではなく、すべての県立高校で理科教育を充実させる必要があると考えております。   そこで、理科教員の指導力向上のため、観察、実験を中心とした探求的な授業の指導案を用いたこれまでの研修に加えて、優秀授業表彰を受けた教員の授業公開、その授業を収録したDVDを活用した研修も行ってまいります。   さらに、各県立高校の理科の授業づくりについて、指導主事が直接学校に出向いて指導・助言を行い、生徒が科学に関心を持てるよう、わかりやすい授業づくりに取り組み、県立高校の理科教員の指導力の向上に努めてまいります。   以上でございます。 〔警察本部長(久我英一)発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 久我警察本部長。 〇警察本部長(久我英一) 自転車の交通安全対策についてお答えいたします。   初めに、自転車の車道通行の基本的な考え方ですが、自転車は道路交通法により、車両に区分されており、歩道と車道の区別のある道路では原則として車道を通行することとされております。   しかし、例外として、道路標識等により、自転車が歩道通行することが認められているとき、自転車利用者が幼児、児童や70歳以上の高齢者等であるとき、車道または交通の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、やむを得ないと認められるときには、道路交通法等により歩道を通行することが認められております。   このうち、道路標識等により、自転車の歩道通行を認める交通規制につきましては、議員ご指摘の10月25日付の警察庁交通局長通達で幅員3メートル未満の歩道について見直すこととされております。しかし、一律に見直しをするものではなく、歩行者の通行が極めて少ないような場合や、車道の交通量が多く、自転車の車道通行が危険な場合等には、歩行者優先というルールのもと、これまでどおり自転車の歩道通行を認めることとされております。   県警察といたしましては、交通規制の見直しにつきましては、交通実態を踏まえた上で、法令、通達に基づき適切に対処してまいります。   次に、自転車が安全で安心して通行できる環境の整備につきましては、自転車専用の走行空間を整備するとともに、自転車と歩行者の分離を進めていくことが重要であります。   このため、県警察といたしましては、交通事故の発生状況や自転車の歩道通行を認めている交通規制の実態を調査の上、道路管理者等と連携し、自転車道や自転車専用通行帯の整備を推進するとともに、自転車の通行に支障がない幅員を有する歩道については、白線やカラー舗装により、自転車の通行する部分の明確化に努めるなど、良好な自転車交通秩序の実現を図ってまいります。   以上でございます。 〔曽我部久美子議員発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 曽我部久美子さん。 〇曽我部久美子議員 知事、また教育長、警察本部長、ご答弁ありがとうございました。   自席からの発言をお許しいただきたいと存じます。   要望及び再質問をこの場所から、質問しました順番にお尋ねさせていただきたいと思います。   まず、津波浸水予測図に関しまして要望させていただきます。   高齢者施設や障害者施設だけでなくて、県民全体にとって避難対策のもととなるものでありまして、一日も早くこの津波浸水予測図に関してはつくり上げていただきたいことを要望いたします。   また、2点目、子供たちへの防災教育についてでございますけれども、これは大変残念な回答でございました。神奈川県においても、いつ起きてもおかしくないと言われている、そういった地震の切迫性、これはもう知らない方はいないのではないかと言われているくらいでございまして、そういった中で、    東北で起きた教訓、これを生かすためには、先ほど申し上げましたように、子供たちが防災のための確実な知識を身につけていけるように、そして、どうすれば生き残れるかを自分でみずから判断できるようにするためには、やはり小さなうちから繰り返し身をもって体験させること、これが重要であって、そのためには、先ほどからご報告があったことは、ある意味では指導者、教員に対してのやりとり、そういったことの重要さをお訴えをされていたと思います。私はそれも大切な点だとは思うのですけれども、やはり子供たちみずからが繰り返し体験をしていく、そのためには、教科として学習、カリキュラムのほうに取り入れるということが大切であるというふうに私は考えておりますので、取り入れるお考えがないのかどうか、再度、お伺いいたします。   3点目、総合計画の神奈川モデルにつきましては、再質問させていただきます。   先ほどご答弁では、神奈川モデルという、そういった割には、どちらかと言うと、目新しさが感じられなかったというのが印象です。より神奈川らしさ、これを感じさせるもの、これがほかにもあるのではないか、そんなふうに思っているので、何かより神奈川らしさを感じさせる神奈川モデルというものをお示しいただけたらと思います。   4点目、これは介護に関しましてですが、確実に進む高齢化の中、慢性的な介護人材不足、これを解消するためには、介護職員等の処遇改善を図る以外にないと思っています。特に、介護、福祉への熱い思いを持って介護の世界を仕事として選択した若い男性の多くが、将来の生活という現実に直面して不安を感じて職を離れる、そういった選択をせざるを得ない、そんな現実もございます。将来に向けて夢を持って介護の仕事を続けていける処遇の改善に対して、どの程度の底上げというか、具体的な数値をもし知事がお考えであれば、この辺を改めて伺いたいと思います。   また、たん吸引に関しまして、これは要望させていただきます。   一度も行ったことのない介護職員、これは現場で大変、今不安に思っているところです。県の登録研修機関における研修という話ではありますけれども、ぜひ研修を実施するのなら、高齢者施設等の現場で行ってほしい、これが現場での切実な声でございました。ぜひ、研修をするのであれば、そういったところ、そしてまた、業として認定していただけるという、そういったお話もございましたが、このことにつきましても、今後も一層推進していただけるようにお願いいたします。   以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕 〇知事(黒岩祐治) それでは、お答えしてまいります。   総合計画の素案について、神奈川モデルに目新しさは感じられないというご指摘でありました。楽しみにして待っていてください。なかなかこの場ではまだ踏み込んで言えない部分がありますが、神奈川モデルがいっぱいあふれていると思ってください。   例えば、医療のグランドデザインということを今検討しておりますが、こういうことも47都道府県で県独自で医療のグランドデザインを検討していること自体、実は初めてのことです。その中で、新しいこと、国がやろうとしてできないこと、それを実はいっぱい仕込もうと思っています。そのいろいろな具体策の中で、それが総合計画の中にいろいろと入っておりますから。   例えば、先ほど、患者中心の開かれた医療の実現に向け、ICTを活用したカルテなどの医療情報を共有するモデル事業とさらっと言いましたが、これは実は大変なことなのです。これはまだ素案ですから、これ以上余り言えませんけれども、これが皆さんの前に出てきたときには、これが神奈川モデルかと、皆さんが誇りを持って神奈川だと言えるようなものが出てくるということを楽しみに待っていてくださいということであります。   介護職員の処遇改善について、どの程度引き上げるべきなのかというふうなお尋ねでありました。   これはまさに私も曽我部議員と全く同じ気持ちであります。一生懸命頑張っていらっしゃる介護の最前線にいらっしゃる方、この人たちに対して温かい目を向ける、ただ目を向けるだけではなくて、それなりの待遇を保障していくということは当然のことであると思います。   私は介護の現場に目に向けるときに、私の中で思い出すのは、ちょうど20年ぐらい前ですけれども、看護、ナースの世界が今の介護職員と同じように言われていた時代が実はありました。当時、ナースは3K職場と言われていました。きつい、汚い、危険、待遇は悪い、どんどんやめていく、そういう時代。今20年たってどうでしょうか。3K職場と言われる言い方はないですね。随分変わりました。そのプロセスを私はよく覚えています。   一番大事なことは、ただ単に給料を上げるということではないのです。看護の最前線で頑張っている皆さんの思い、それに光を当てるということ、そこから始まりました。そして、みんながナース頑張れと言って、そういう気持ちになったところから始まった。私がその介護の世界に、今、光を当てたいと言っているのは同じ思いであります。介護の現場で頑張っている人たち、すごいことをやっているではないか、君たちがやっている仕事はすばらしい、みんなで応援しようという気持ちになった、そこから待遇の話もついてくるだろうと考えている次第であります。   私が思う給与の水準のレベルですけれども、看護職員と介護職員というのを簡単に比べるのはなかなか難しいのですね。介護職員の中にもいろいろな資格がありますから。看護のほうの資格は看護師、準看護師とあるのですけれども、介護の世界というのは、そういう国家資格としての社会福祉士もありますけれども、そうではない資格もあります。単純に全体を比較するわけにいきませんけれども、同じような資格、レベルということで考えた場合には、基本的には同じような水準に近づいていくということが目指すべき方向性だろうと私は考えている次第であります。   答弁は以上です。 〔教育長(藤井良一)発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 藤井教育長。 〇教育長(藤井良一) お答えいたします。   今回の震災では、児童、教職員、死者600名を超えるといったような学校の管理下において、これまでにない規模の災害ということで、多くの課題が出たといったところでございます。学校におきます防災教育などは、さまざまな災害発生時における危機について理解をして、正しい備えと適切な行動がとれるようにすることということとしております。   新しい学習指導要領におきましても、中学校の保健体育とか、小学校の理科、社会科等において、防災教育等の充実が図られているといったところでございます。小・中・高等学校の学習指導要領では、その総則におきまして、学校の教育活動全体を通じて安全教育に取り組むということになっております。   現在、先ほどもお話がございましたけれども、中教審において、その教科化というようなことで、教育課程における防災教育の位置づけにつきまして、研究開発学校制度、これは学習指導要領に基づかないというような取り組みでございますが、こうした取り組みによりまして、各学校における新たな取り組みを促進すると、こういったようなことが検討されているところでございます。   県を初めまして、市町村教育委員会におきましても、防災の認識は大変高まっているといったようなところでございます。子供たちの命を守るといったような、大切なことでございますので、効果的な防災教育等につきまして、市町村と情報共有等を図ってまいりたいと、こんなふうに考えてございます。   以上でございます。 〔曽我部久美子議員発言の許可を求む〕 〇副議長(藤井深介) 曽我部久美子さん。 〇曽我部久美子議員 ご答弁ありがとうございました。   私が申し上げたかったのは、東日本大震災での教訓として生かすために、子供たちのために何ができるのかということをしっかりと考えて、それを教科の中に入れて、日々、子供たちに積み上げていきたい、そんな思いでお話をさせていただいたところでございます。   いずれにしても、知事からも大変前向きなご発言をいただいておりまして、ぜひ人に優しい神奈川と胸を張って言える、そんな神奈川にしていくために、これからも全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと思います。   以上で私の質問を終わります。   ありがとうございました。